「友情結婚」「AI恋人」を経た2026年のリアル——なぜ今、彼女たちは「原点回帰」を選択するのか
やっぱり 男 が 好き——そう口にする女性たちの表情には、どこか吹っ切れたような潔さがある。多様な生き方が肯定され、「恋愛不要論」や「友情結婚」といった選択肢が当たり前になった2026年。しかし今、あえて従来の異性愛や男性との泥臭い関係性に回帰する動きが、20代から30代の女性を中心に急速に広がっている。
SNSで「#原点回帰」のハッシュタグとともに投稿されるリアルな本音。かつては恋愛の煩わしさから距離を置き、ソロ活や推し活に没頭していた層が、一周回ってやっぱり 男 が 好きだと気づく瞬間には、現代社会特有の孤独感と疲弊が隠されているようだ。
「タイパ恋愛」と「AIパートナー」に飽きた人々

ここ数年、日本の恋愛市場は劇的な変化を遂げた。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視するマッチングアプリのアルゴリズムに疲れ、人間そっくりの対話を行うAI恋人アプリに癒やしを求める人が急増したのは記憶に新しい。しかし、完璧にプログラムされた優しさは、やがて虚無感へと変わる。
都内のIT企業に勤める女性(31歳)は、「AIは絶対に怒らないし、私の思い通りになる。でも、それって鏡に向かって話しているのと同じ。喧嘩をして、すれ違って、それでも向き合う面倒くささが恋しくなった」と語る。利便性の極致に達した社会で、人々は再び「予測不可能な他者」との衝突を求め始めているのだ。
自由すぎる時代の「選択疲れ」がもたらした揺り戻し

「結婚しなくても幸せになれる」という言説は、もはや社会の常識となった。ソロライフの充実、同性パートナーシップ、友情結婚など、関係性の選択肢は無限に広がった。だが、選択肢が多すぎることは、時に人を迷わせる。
社会学者の分析によると、あらゆる生き方が自己責任で選べるようになった結果、「何を選んでも正解であり、同時にどれも決定打に欠ける」という不安が生じているという。その結果、最もクラシックで、かつては当たり前とされていた「異性との恋愛」に立ち返ることで、アイデンティティの安定を図る層が一定数現れるのは自然な流れと言える。
「推し活」では埋まらない、生身の摩擦を求める心理

2020年代前半を席巻した「推し活」ブームも、過渡期を迎えている。画面の向こうのアイドルやキャラクターにお金を注ぎ込み、疑似恋愛を楽しむ消費行動は、安全で傷つかない。しかし、それは一方通行の愛だ。
「推しは人生を豊かにしてくれるけれど、私が風邪をひいたときに看病はしてくれない」と、ある女性は自嘲気味に笑う。どんなに美しくパッケージされたコンテンツも、目の前にいる生身の男性が放つ体温や、不器用な言葉には敵わない。傷つくリスクを受け入れてでも、双方向のコミュニケーションに飢えている現代人の姿が浮かび上がる。
ジェンダーレス社会で再評価される「男らしさ」の境界線
ジェンダーロールの解体が叫ばれ、男性の美容意識の向上やソフト化が進んだ現代。その一方で、「やはり野生的な魅力や、自分とは異なる性としての男性らしさに惹かれる」という本音を漏らす女性は少なくない。ただし、これは昭和的な家父長制への回帰ではない。
現代の女性たちが求めているのは、経済的・精神的に自立した対等な関係でありながらも、ふとした瞬間に感じる「生物学的な差異」や「異質さ」への興奮だ。フラットな関係性だからこそ、性の違いがもたらすスパイスが際立つのだという。
2026年の恋愛観:多様性の先にある「剥き出しの本音」
多様性を認め合う社会とは、どのような生き方を選んでも批判されない社会のはずだ。しかし、「異性が好き」「男性と付き合いたい」という極めてシンプルで伝統的な欲求が、時に「古い価値観」として冷ややかな目で見られる風潮すら一部にはあった。
今起きている現象は、そうした過度な政治的正しさやトレンドに対する、静かな反逆なのかもしれない。誰に遠慮することもなく、自分の心が求める対象をただ愛する。多様性の時代を経て、日本の恋愛観はよりパーソナルで、剥き出しの本音へと回帰している。 (出典: やっぱり 男 が 好き(Yahoo!ニュース))